公開日:2016/08/17 最終更新日:2016/08/17

JVN#45583702
PhishWall クライアント Internet Explorer版のインストーラにおける DLL 読み込みに関する脆弱性

概要

PhishWall クライアント Internet Explorer版のインストーラには、DLL 読み込みに関する脆弱性が存在します。

影響を受けるシステム

  • PhishWall クライアント Internet Explorer版 Ver. 3.7.8.1 およびそれ以前のインストーラ

詳細情報

株式会社セキュアブレインが提供する PhishWall クライアント Internet Explorer版は、不正送金やフィッシング対策用のソフトウェアです。PhishWall クライアント Internet Explorer版のインストーラには、DLL を読み込む際の検索パスに問題があり、意図しない DLL を読み込んでしまう脆弱性が存在します。

当該製品のインストーラは Install Shield の旧バージョンで作成されていますが、最新の Install Shield では、DLL 読み込みの問題に対して対策を行っています。詳細については「Best Practices to Avoid Windows Setup Launcher Executable Issues」を参照してください。

想定される影響

インストーラを実行している管理者の権限で、任意のコードを実行される可能性があります。

対策方法

最新のインストーラを使用する
開発者が提供する情報をもとに、最新のインストーラを使用してください。
なお、本脆弱性の影響を受けるのはインストーラの起動時のみのため、既存のユーザは PhishWall クライアント Internet Explorer版をアップデートする必要はありません。

ベンダ情報

ベンダ ステータス ステータス
最終更新日
ベンダの告知ページ
株式会社セキュアブレイン 該当製品あり 2016/08/17 株式会社セキュアブレイン の告知ページ

参考情報

  1. Flexera Software Knowledge Article 000019593
    Best Practices to Avoid Windows Setup Launcher Executable Issues

JPCERT/CCからの補足情報

JPCERT/CCによる脆弱性分析結果

CVSS v3 CVSS:3.0/AV:L/AC:L/PR:N/UI:R/S:U/C:H/I:H/A:H
基本値: 7.8
攻撃元区分(AV) 物理 (P) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N)
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 低 (L)
必要な特権レベル(PR) 高 (H) 低 (L) 不要 (N)
ユーザ関与レベル(UI) 要 (R) 不要 (N)
スコープ(S) 変更なし (U) 変更あり (C)
機密性への影響(C) なし (N) 低 (L) 高 (H)
完全性への影響(I) なし (N) 低 (L) 高 (H)
可用性への影響(A) なし (N) 低 (L) 高 (H)
CVSS v2 AV:N/AC:M/Au:N/C:P/I:P/A:P
基本値: 6.8
攻撃元区分(AV) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N)
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 中 (M) 低 (L)
攻撃前の認証要否(Au) 複数 (M) 単一 (S) 不要 (N)
機密性への影響(C) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)
完全性への影響(I) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)
可用性への影響(A) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)

分析結果のコメント

ユーザのシステムを攻撃する目的で作成された DLL ファイルを、攻撃者の意図する場所にユーザが自ら配置することを想定しています。

謝辞

この脆弱性情報は、情報セキュリティ早期警戒パートナーシップに基づき下記の方が IPA に報告し、JPCERT/CC が開発者との調整を行いました。
報告者: 三井物産セキュアディレクション株式会社 吉川孝志 氏

関連文書

JPCERT 緊急報告
JPCERT REPORT
CERT Advisory
CPNI Advisory
TRnotes
CVE CVE-2016-4846
JVN iPedia JVNDB-2016-000139