JVN#62161191
JavaFX の WebEngine コンポーネントに任意の Java メソッド実行が可能になる脆弱性
JavaFX および OpenJFX の WebEngine コンポーネントには、任意の Java コード実行が可能になる脆弱性があります。
- Oracle JDK 8 update 251 より前のバージョン
- JavaFX 14.0.1 より前のバージョン
JavaFX は Java アプリケーション向けの GUI ライブラリです。
OracleJDK のバージョン 7 からバージョン 10 までは JDK に同梱される形で提供されていました。
OracleJDK バージョン 11 以降には同梱されなくなり、OpenJDK コミュニティ傘下の OpenJFX プロジェクトによって開発が継続されています。
JavaFX に含まれる WebEngine コンポーネントは web コンテンツのレンダリング機能を提供しており、web コンテンツ中の JavaScript コードから Java メソッドを呼び出せるように設定することも可能です。
WebEngine コンポーネントには、細工された JavaScript コードから任意の Java メソッド呼び出しが可能になる脆弱性が存在します(CWE-470)。
これは、過去に Android の WebView コンポーネントに対して指摘された脆弱性 CVE-2012-6636 と同じタイプの脆弱性です。
JavaFX を使用したアプリケーションが細工された web コンテンツを処理すると、当該アプリケーションの実行権限で任意の Java コードを実行させられる可能性があります。
アップデートする
JavaFX アプリケーション開発者は、最新の JavaFX ライブラリを使用してアプリケーションを更新してください。
JavaFX アプリケーションユーザは、Java 実行環境を最新バージョンに更新してください。
OracleJDK 8 update 251 に同梱されている JavaFX および OpenJFX プロジェクトが提供する JavaFX 14.0.1 では、JavaScript から呼び出せる Java メソッドに制限を加えています。詳細はリリースノートを確認してください。
ベンダ | リンク |
Oracle | JDK 8u251 Update Release Notes |
OpenJFX Project | Release Notes for JavaFX 14.0.1 |
攻撃元区分(AV) | 物理 (P) | ローカル (L) | 隣接 (A) | ネットワーク (N) |
---|---|---|---|---|
攻撃条件の複雑さ(AC) | 高 (H) | 低 (L) | ||
必要な特権レベル(PR) | 高 (H) | 低 (L) | 不要 (N) | |
ユーザ関与レベル(UI) | 要 (R) | 不要 (N) | ||
スコープ(S) | 変更なし (U) | 変更あり (C) | ||
機密性への影響(C) | なし (N) | 低 (L) | 高 (H) | |
完全性への影響(I) | なし (N) | 低 (L) | 高 (H) | |
可用性への影響(A) | なし (N) | 低 (L) | 高 (H) |
攻撃元区分(AV) | ローカル (L) | 隣接 (A) | ネットワーク (N) |
---|---|---|---|
攻撃条件の複雑さ(AC) | 高 (H) | 中 (M) | 低 (L) |
攻撃前の認証要否(Au) | 複数 (M) | 単一 (S) | 不要 (N) |
機密性への影響(C) | なし (N) | 部分的 (P) | 全面的 (C) |
完全性への影響(I) | なし (N) | 部分的 (P) | 全面的 (C) |
可用性への影響(A) | なし (N) | 部分的 (P) | 全面的 (C) |
この脆弱性情報は、情報セキュリティ早期警戒パートナーシップに基づき下記の方が IPA に報告し、JPCERT/CC が開発者との調整を行いました。
報告者: 合同会社DMM.com 市原良平 氏
JPCERT 緊急報告 |
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JPCERT REPORT |
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CERT Advisory |
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CPNI Advisory |
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TRnotes |
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CVE |
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JVN iPedia |
JVNDB-2020-000047 |