公開日:2017/05/16 最終更新日:2017/05/16

JVN#81820501
FlashAir のフォトシェア機能に SSID およびパスワード固定の脆弱性

概要

株式会社東芝が提供する FlashAirTM のフォトシェア機能には、SSID およびパスワード固定の脆弱性が存在します。

影響を受けるシステム

  • FlashAirTM SDHCメモリカード(SD-WEシリーズ<W-03>) V3.00.01 およびそれ以前
  • FlashAirTM SDHCメモリカード(SD-WD/WCシリーズ<W-02>) V2.00.03 およびそれ以前

詳細情報

株式会社東芝が提供する FlashAirTM は、無線 LAN 接続機能を搭載した SDHC メモリカードです。FlashAirTM のフォトシェア機能では、FlashAirTM の初期設定による無線 LAN とは別の設定の、フォトシェア専用の無線 LAN に切り替わり、特定のフォルダ内の写真を他ユーザと共有することができます。

専用アプリからフォトシェアを開始する際には、フォトシェア専用の無線 LAN の設定を行うよう誘導されます。一方、ウェブブラウザからの操作でフォトシェアを開始する際には、フォトシェア専用の無線 LAN 設定を行うことができず、固定された設定の無線 LAN が有効になります。その結果、当該無線 LAN にアクセス可能な第三者により、共有している写真データを閲覧されてしまいます (CWE-284)。

想定される影響

ウェブブラウザからの操作でフォトシェアを開始した場合、無線 LAN に接続可能な第三者によって、フォトシェアで共有しているデータを閲覧されてしまう可能性があります。

対策方法

フォトシェアを開始する際には専用アプリを使用する
フォトシェア機能を使用する際には、意図しない第三者によるアクセスを防ぐため、専用アプリを使用して SSID とパスワードを変更してください。
なお、開発者によると、次のバージョン以降においては、ウェブブラウザからの操作でフォトシェアを開始できないように機能を制限しているとのことです。

  • FlashAirTM SDHCメモリカード(SD-WEシリーズ<W-03>) V3.00.02
  • FlashAirTM SDHCメモリカード(SD-WD/WCシリーズ<W-02>) V2.00.04

参考情報

JPCERT/CCからの補足情報

JPCERT/CCによる脆弱性分析結果

CVSS v3 CVSS:3.0/AV:A/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:L/I:N/A:N
基本値: 4.3
攻撃元区分(AV) 物理 (P) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N)
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 低 (L)
必要な特権レベル(PR) 高 (H) 低 (L) 不要 (N)
ユーザ関与レベル(UI) 要 (R) 不要 (N)
スコープ(S) 変更なし (U) 変更あり (C)
機密性への影響(C) なし (N) 低 (L) 高 (H)
完全性への影響(I) なし (N) 低 (L) 高 (H)
可用性への影響(A) なし (N) 低 (L) 高 (H)
CVSS v2 AV:A/AC:L/Au:N/C:P/I:N/A:N
基本値: 3.3
攻撃元区分(AV) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N)
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 中 (M) 低 (L)
攻撃前の認証要否(Au) 複数 (M) 単一 (S) 不要 (N)
機密性への影響(C) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)
完全性への影響(I) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)
可用性への影響(A) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)

謝辞

この脆弱性情報は、情報セキュリティ早期警戒パートナーシップに基づき下記の方が IPA に報告し、JPCERT/CC が開発者との調整を行いました。
報告者: 三井物産セキュアディレクション株式会社 諌山 貴由 氏

関連文書

JPCERT 緊急報告
JPCERT REPORT
CERT Advisory
CPNI Advisory
TRnotes
CVE CVE-2017-2162
JVN iPedia JVNDB-2017-000091