公開日:2019/01/31 最終更新日:2019/01/31

JVN#83826673
UNLHA32.DLL、UNARJ32.DLL および LHMelting のインストーラにおける DLL 読み込みに関する脆弱性

概要

Micco が提供する UNLHA32.DLL、UNARJ32.DLL および LHMelting のインストーラには、DLL 読み込みに関する脆弱性が存在します。

影響を受けるシステム

  • UNLHA32.DLL for Win32 Ver 2.67.1.2 およびそれ以前 (CVE-2019-5911)
  • UNARJ32.DLL for Win32 Ver 1.10.1.25 およびそれ以前 (CVE-2019-5912)
  • LHMelting for Win32 Ver 1.65.3.6 およびそれ以前 (CVE-2019-5913)

詳細情報

Micco が提供する UNLHA32.DLL、UNARJ32.DLL および LHMelting のインストーラは、古いバージョンの UNLHA32.DLL で作成された自己解凍書庫ファイルが使用されており、CVE-2018-16189 の影響を受けるため、DLL を読み込む際の検索パスに問題があり、同一ディレクトリに存在する特定の DLL を読み込んでしまう脆弱性 (CWE-427) が存在します。

想定される影響

インストーラを実行している権限で、任意のコードを実行される可能性があります。

対策方法

最新のインストーラを使用し、アップデートする
開発者が提供する情報をもとに、最新のインストーラを使用してください。
また、インストーラを実行する際には、インストーラと同じディレクトリに不審なファイルがないことを確認してください。

なお、本脆弱性の影響を受けるのはインストーラの起動時のみですが、最新のバージョンでは本脆弱性とは別の脆弱性 (CVE-2018-16190) も修正されているとのことです。

ベンダ情報

ベンダ ステータス ステータス
最終更新日
ベンダの告知ページ
Micco 該当製品あり 2019/01/31 Micco の告知ページ

参考情報

  1. Japan Vulnerability Notes JVNTA#91240916
    Windows アプリケーションによる DLL 読み込みやコマンド実行に関する問題
  2. Japan Vulnerability Notes JVN#52168232
    UNLHA32.DLL、UNARJ32.DLL、LHMelting および LMLzh32.DLL における DLL 読み込みに関する脆弱性

JPCERT/CCからの補足情報

本脆弱性対策情報の JVN 公表は、製品開発者が対応した時点から遅れ 2019/1/31 となりました。

JPCERT/CCによる脆弱性分析結果

CVSS v3 CVSS:3.0/AV:L/AC:L/PR:N/UI:R/S:U/C:H/I:H/A:H
基本値: 7.8
攻撃元区分(AV) 物理 (P) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N)
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 低 (L)
必要な特権レベル(PR) 高 (H) 低 (L) 不要 (N)
ユーザ関与レベル(UI) 要 (R) 不要 (N)
スコープ(S) 変更なし (U) 変更あり (C)
機密性への影響(C) なし (N) 低 (L) 高 (H)
完全性への影響(I) なし (N) 低 (L) 高 (H)
可用性への影響(A) なし (N) 低 (L) 高 (H)
CVSS v2 AV:N/AC:M/Au:N/C:P/I:P/A:P
基本値: 6.8
攻撃元区分(AV) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N)
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 中 (M) 低 (L)
攻撃前の認証要否(Au) 複数 (M) 単一 (S) 不要 (N)
機密性への影響(C) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)
完全性への影響(I) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)
可用性への影響(A) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)

分析結果のコメント

ユーザのシステムを攻撃する目的で作成された DLL ファイルを、攻撃者の意図する場所にユーザが自ら配置することを想定しています。

謝辞

この脆弱性情報は、情報セキュリティ早期警戒パートナーシップに基づき下記の方が IPA に報告し、JPCERT/CC が開発者との調整を行いました。
報告者: 英利 雅美 氏

関連文書

JPCERT 緊急報告
JPCERT REPORT
CERT Advisory
CPNI Advisory
TRnotes
CVE CVE-2019-5911
CVE-2019-5912
CVE-2019-5913
JVN iPedia JVNDB-2019-000005