公開日:2020/05/13 最終更新日:2020/05/13

JVNVU#92467308
Siemens 製 Power Meters Series に複数の脆弱性

概要

Siemens が提供する Power Metars Series には、Wind River 製のリアルタイム OS である VxWorks に起因する複数の脆弱性が存在します。

影響を受けるシステム

  • Siemes Power Meters Series 9410 V2.2.1 より前のバージョン
  • Siemes Power Meters Series 9810 のすべてのバージョン

詳細情報

Siemes Power Meters Series 9410 および 9810 は、Siemes が提供する電気設備の電力の品質などを監視するための計測機器です。これらの製品には、Wind River 社製のリアルタイム OS である VxWorks の TCP/IP ネットワークスタック (IPnet) で発見された以下の脆弱性 (通称「URGENT/11」) に起因する複数の脆弱性が存在します。
  • 不適切なアクセス制御 (CWE-284) - CVE-2019-10938
    CVSS v3 CVSS:3.0/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H 基本値: 9.8
  • 整数アンダーフロー (CWE-191) - CVE-2019-12255
    CVSS v3 CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H 基本値: 9.8
  • スタックベースのバッファオーバーフロー (CWE-121) - CVE-2019-12256
    CVSS v3 CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H 基本値: 9.8
  • 競合状態 (CWE-362) - CVE-2019-12258, CVE-2019-12259
    CVSS v3 CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H 基本値: 7.5
  • 状態の問題 (CWE-371) - CVE-2019-12260
    CVSS v3 CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H 基本値: 9.8
  • 整数アンダーフロー (CWE-191) - CVE-2019-12261
    CVSS v3 CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:R/S:U/C:H/I:H/A:H 基本値: 8.8
  • ビジネスロジックエラー (CWE-840) - CVE-2019-12262
    CVSS v3 CVSS:3.1/AV:A/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:H/A:L 基本値: 7.1
  • 競合状態 (CWE-362) - CVE-2019-12263
    CVSS v3 CVSS:3.1/AV:N/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H 基本値: 8.1
  • ビジネスロジックエラー (CWE-840) - CVE-2019-12265
    CVSS v3 CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:L/I:N/A:N 基本値: 5.3

想定される影響

想定される影響は各脆弱性により異なりますが、次のような影響を受ける可能性があります。

  • 遠隔の第三者によって、デバイスのファームウエア検証前に任意のコードが実行される - CVE-2019-10938
  • 遠隔の第三者によって、細工された緊急ポインタを持つ TCP パケットをデバイスに送信され、任意のコードを実行される- CVE-2019-12255, CVE-2019-12260
  • 遠隔の第三者によって、細工された IP オプションを持つ IPv4 パケットをデバイスに送信され、任意のコードを実行される - CVE-2019-12256
  • 遠隔の第三者によって、細工された TCP オプションを持つ TCP パケットをデバイスに送信され、サービス運用妨害 (DoS) 攻撃を受ける- CVE-2019-12258
  • 遠隔の第三者によって、細工された IGMP パケットをデバイスに送信され、サービス運用妨害 (DoS) 攻撃を受ける - CVE-2019-12259
  • 遠隔の第三者によって、リモートホストに接続しているときに細工された緊急ポインタを持つ TCP パケットをデバイスに送信され、任意のコードを実行される - CVE-2019-12261
  • 第三者によって、RARP パケットを送信され、デバイスの可用性や完全性影響を与えられる - CVE-2019-12262
  • 遠隔の第三者によって、細工された TCP Urgent Pointer を持つ TCP パケットをデバイスに送信され、競合状態を引き起こされたり、任意のコードが実行される - CVE-2019-12263
  • 遠隔の第三者によって、細工された IGMPv3 パケットを送信され、情報を窃取される - CVE-2019-12265

対策方法

Siemes Power Meters Series 9410
アップデートする
開発者が提供する情報をもとに、最新版へアップデートしてください。
 
Siemes Power Meters Series 9810
ワークアラウンドを実施する
次の回避策を適用することで、本脆弱性の影響を軽減することが可能です。
  • 影響を受けるデバイスのネットワーク適切に分離する。
  • Siemens のガイドラインに従い、多層防御を適用する
Siemens
Operational Guidelines for Industrial Security

参考情報

JPCERT/CCからの補足情報

JPCERT/CCによる脆弱性分析結果

謝辞

関連文書

JPCERT 緊急報告
JPCERT REPORT
CERT Advisory
CPNI Advisory
TRnotes
CVE
CVE-2019-10938
CVE-2019-12255
CVE-2019-12256
CVE-2019-12258
CVE-2019-12259
CVE-2019-12260
CVE-2019-12261
CVE-2019-12262
CVE-2019-12263
CVE-2019-12265
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