公開日:2020/06/22 最終更新日:2020/06/24

JVNVU#93229773
BD 製 Alaris PCU に対するアップデート

概要

BD 製 Alaris PCU に、Linux カーネルのリソース枯渇の脆弱性に対処したアップデートが提供されています。

影響を受けるシステム

BD 製 Alaris PCU シリーズのうち、Linux カーネル v4.4.97 で動作する Laird Wireless Module WB40N を使用している次のバージョンのものが影響を受けます。

  • Alaris PC Unit (PCU) バージョン 9.13, 9.19, 9.33 および 12.1

詳細情報

Alaris PCU は Becton, Dickinson and Company (BD) が提供する医療用輸液ポンプ向けモジュラー型プラットフォームです。Alaris PCU には、Linux カーネルにおける脆弱性 CVE-2019-11479 (リソース枯渇: CWE-400) に起因して、ワイヤレス通信機能が使用できなくなる問題が存在します。

想定される影響

遠隔の第三者から大量の不正なパケットを短時間に受信すると、Alaris PCUのワイヤレス通信機能がサービス運用妨害 (DoS) 状態になる可能性があります。

対策方法

ワークアラウンドを実施する
以下の回避策を適用することで、本脆弱性の影響を軽減することが可能です。詳しくは、開発者が提供する情報をご確認ください。

  • より強固なワイヤレス通信のセキュリティプロトコルを用いる
  • IDS を使用してワイヤレスネットワークを監視する
  • Alaris PCU の重要な機能を管理する Alaris Systems Manager を安全なネットワークに接続し、定期的にセキュリティパッチを当て、マルウェア対策をする
  • Alaris PCU と Alaris Systems Manager をファイヤーウォールで分離する

JPCERT/CCからの補足情報

JPCERT/CCによる脆弱性分析結果

CVSS v3 CVSS:3.0/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:L
基本値: 5.3
攻撃元区分(AV) 物理 (P) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N)
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 低 (L)
必要な特権レベル(PR) 高 (H) 低 (L) 不要 (N)
ユーザ関与レベル(UI) 要 (R) 不要 (N)
スコープ(S) 変更なし (U) 変更あり (C)
機密性への影響(C) なし (N) 低 (L) 高 (H)
完全性への影響(I) なし (N) 低 (L) 高 (H)
可用性への影響(A) なし (N) 低 (L) 高 (H)

謝辞

関連文書

JPCERT 緊急報告
JPCERT REPORT
CERT Advisory
CPNI Advisory
TRnotes
CVE CVE-2019-11479
JVN iPedia

更新履歴

2020/06/24
【ベンダ情報】に 開発者による Security Advisory へのリンクを追加しました。