公開日:2025/05/20 最終更新日:2025/05/21
JVNVU#93838985
三菱電機製GENESIS64およびMC Works64のマルチエージェント通知機能の実行時に必要以上に高い権限が割り当てられている脆弱性
三菱電機製GENESIS64およびMC Works64のマルチエージェント通知機能は、必要以上に高い権限で実行されています。
- GENESIS64 全バージョン
- MC Works64 全バージョン
三菱電機製GENESIS64およびMC Works64のマルチエージェント通知機能は、必要以上に高い権限で実行されています(CWE-250、CVE-2025-0921)。
攻撃者は、該当製品のサービスが書き込み先として使用するファイルから攻撃対象のファイルへのシンボリックリンクを作成することで、任意のファイルへの不正な書き込みを可能にします。結果として、攻撃者は、該当製品がインストールされたPC上のファイルを、破壊できる可能性があります。破壊されたファイルが当該PCの動作に必要なファイルの場合、当該PCがサービス運用妨害(DoS)状態となる可能性があります。
ワークアラウンドを実施する
開発者によると、現在本脆弱性への対応した対策版を準備中とのことです。
開発者は、対策版がリリースされるまでの間、次に示す回避策または軽減策を適用することを推奨しています。
- マルチエージェント通知機能(*1)を使用する必要がない場合には、マルチエージェント通知機能をアンインストールする
- (*1)GENESIS64 Version 10.97.3以降の製品では、マルチエージェント通知機能は、デフォルトインストールに含まれていません。マルチエージェント通知機能を使用する必要があり、かつPagerエージェントが不要な場合には、マルチエージェント通知機能のカスタムインストールを実行し、Pagerエージェントをインストールの対象から除外してください。
- 該当製品がインストールされたPCに、管理者以外がログインできないように設定する
- 該当製品がインストールされたPCをLAN内で使用し、信頼できないネットワークやホスト、管理者以外のユーザからのリモートログインをブロックする
- 該当製品がインストールされたPCをインターネットに接続する場合には、ファイアウォールや仮想プライベートネットワーク(VPN)等で不正アクセスを防止したうえで、管理者のみにリモートログインを許可する
- 該当製品がインストールされたPCおよび本PCが接続されているネットワークへの物理的なアクセスを制限し、不正な接触を防止する
- 信頼できない送信元からのメール等に記載されたWebリンクをクリックしたり、信頼できない電子メールの添付ファイルを開かない
ベンダ | リンク |
三菱電機株式会社 | GENESIS64およびMC Works64のマルチエージェント通知機能における情報改ざんの脆弱性 |
-
ICS Advisory | ICSA-25-140-04
Mitsubishi Electric Iconics Digital Solutions and Mitsubishi Electric Products
CVSS v3
CVSS:3.0/AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:C/C:N/I:H/A:N
基本値:
6.5
攻撃元区分(AV) | 物理 (P) | ローカル (L) | 隣接 (A) | ネットワーク (N) |
---|---|---|---|---|
攻撃条件の複雑さ(AC) | 高 (H) | 低 (L) | ||
必要な特権レベル(PR) | 高 (H) | 低 (L) | 不要 (N) | |
ユーザ関与レベル(UI) | 要 (R) | 不要 (N) | ||
スコープ(S) | 変更なし (U) | 変更あり (C) | ||
機密性への影響(C) | なし (N) | 低 (L) | 高 (H) | |
完全性への影響(I) | なし (N) | 低 (L) | 高 (H) | |
可用性への影響(A) | なし (N) | 低 (L) | 高 (H) |
この脆弱性情報は、製品利用者への周知を目的に、開発者がJPCERT/CCに報告し、JPCERT/CCが開発者との調整を行いました。
- 2025/05/21
- [参考情報]にICS Advisoryのリンクを追加しました