公開日:2015/09/04 最終更新日:2015/09/04

JVNVU#96220126
OrientDB および OrientDB Studio に複数の脆弱性

概要

OrientDB Server Community Edition 2.1.1 より前のバージョンにバンドルされた Studio には、複数の脆弱性が存在します。

影響を受けるシステム

  • OrientDB Server Community Edition 2.1.1 より前のバージョンにバンドルされた Studio
  • OrientDB Server Community Edition 2.0.15 より前のバージョンにバンドルされた Studio

詳細情報

クロスサイトリクエストフォージェリ (CWE-352) - CVE-2015-2912
OrientDB 用のウェブインターフェース Studio には、クロスサイトリクエストフォージェリの脆弱性が存在します。当該システムとのセッションがアクティブな状態のユーザが、細工されたリクエストを送信させられることにより、Studio に対して意図しない操作をさせられる可能性があります。

本脆弱性は OrientDB Server Community Edition 2.0.3 にバンドルされた Studio に対して報告されたものです。OrientDB Server Community Edition 2.0.15 より前のバージョンおよび 2.1.1 より前のバージョンにバンドルされた Studio についても脆弱性が存在する可能性があります。

不十分なランダム値の使用 (CWE-330) - CVE-2015-2913
OrientDB Server Community Edition 2.1.0 より前のバージョンは、セッション ID の生成に Java ライブラリ java.util.Random を使用しています。しかしながら、このクラスが生成する乱数の品質は、セキュリティに関連した用途には適していません。生成される値を攻撃者によって予測される可能性があります。

不適切な入力確認 (CWE-20) - CVE-2015-2918
OrientDB 用のウェブインターフェース Studio は、デフォルトではレスポンスヘッダ X-Frame-Options を付与しません。そのため、細工されたウェブページを介して、クリックジャッキング攻撃を受ける可能性があります。

想定される影響

遠隔の攻撃者によって、被害者であるユーザと同等の権限で、当該製品を操作される可能性があります。また、管理者権限を持っていないユーザによってセッション ID が操作されることで、データベースの管理者権限を入手される可能性があります。

対策方法

アップデートする
開発者が提供する情報をもとに、最新版へアップデートしてください。

CVE-2015-2912 および CVE-2015-2913 は OrientDB 2.0.15 および 2.1.1 で修正されています。
このアップデートでは、デフォルトで JSONP を無効にすることにより CVE-2015-2912 を修正しています。
また、java.security.SecureRandom を使用して乱数を生成することにより CVE-2015-2913 を修正しています。

X-Frame-Options ヘッダを追加する
クリックジャッキング攻撃 (CVE-2015-2918) を防止するために、X-Frame-Options ヘッダを追加してください。ヘッダを追加するためには、サーバの起動時に次のコマンドライン引数を追加してください。

  • Dnetwork.http.additionalResponseHeaders="X-FRAME-OPTIONS: DENY"
もしくは、この引数をサーバの orientdb-server-config.xml ファイルに追加してください。

OrientDB Studio を無効にする
必要がなければ Studio を無効にしてください。Studio を無効とすれば、これらの問題は顕在化しません。

参考情報

  1. CERT/CC Vulnerability Note VU#845332
    OrientDB and Studio prior to version 2.1.1 contain multiple vulnerabilities

JPCERT/CCからの補足情報

JPCERT/CCによる脆弱性分析結果

2015.09.04における脆弱性分析結果(CVSS Base Metrics)

CVSSとは

評価尺度 評価値 説明
攻撃元区分(AV) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N) ネットワーク経由でリモートから攻撃可能
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 中 (M) 低 (L) 攻撃成立に何らかの条件が必要
攻撃前の認証要否(Au) 複数 (M) 単一 (S) 不要 (N) 単一の認証が必要
機密性への影響(C) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C) 一部の情報が漏えいする
完全性への影響(I) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C) 情報の正確さや完全さが部分的に損なわれる
可用性への影響(A) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C) システムの使用が部分的に阻害される

Base Score:6.0

謝辞

関連文書

JPCERT 緊急報告
JPCERT REPORT
CERT Advisory
CPNI Advisory
TRnotes
CVE CVE-2015-2912
CVE-2015-2913
CVE-2015-2918
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