公開日:2020/07/10 最終更新日:2020/07/10

JVNVU#97113078
Phoenix Contact 製 Automation Worx Software Suite に複数の脆弱性

概要

Phoenix Contact が提供する Automation Worx Software Suite には、複数の脆弱性が存在します。

影響を受けるシステム

  • PC Worx version 1.87 およびそれ以前
  • PC Worx Express version 1.87 およびそれ以前

詳細情報

Automation Worx Software Suite は Phoenix Contact が提供する産業用システム向けソフトウェアツール集です。Automation Worx Software Suite に含まれる PC Worx および PC Worx Express には次の複数の脆弱性が存在します。

  • スタックベースのバッファオーバーフロー (CWE-121) - CVE-2020-12497
    CVSS v3 CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:N/UI:R/S:U/C:H/I:H/A:H 基本値: 7.8
  • 境界外読み取り (CWE-125) - CVE-2020-12498
    CVSS v3 CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:N/UI:R/S:U/C:H/I:H/A:H 基本値: 7.8

想定される影響

想定される影響は各脆弱性により異なりますが、当該製品はプロジェクトファイル処理中の入力データ検証が不十分であるため、次のような影響を受ける可能性があります。

  • 第三者が、特別に細工したプロジェクトファイルを作成し、読み込ませて、スタックオーバーフローを発生させることで、アプリケーションが動作する権限で任意のコードを実行する - CVE-2020-12497
  • 第三者が、特別に細工したプロジェクトファイルを作成し、読み込ませて、境界外読み取りを発生させることで、アプリケーションが動作する権限で任意のコードを実行する - CVE-2020-12498

対策方法

ワークアラウンドを実施する
開発者は次のワークアラウンドを推奨しています。

  • ユーザがプロジェクトファイルを交換するときに、セキュアなファイル交換サービスのみを使用する
  • 暗号化されていない電子メールでプロジェクトファイルを交換しない
  • プロジェクトファイルの完全性を保証するため、プロジェクトファイルの交換または格納時にチェックサムを用いる
開発者によると、バッファサイズおよびファイル内で参照されるオブジェクトのサイズと数の記述に対しては、次期バージョンで改善した入力データ検証を実装するとのことです。

ベンダ情報

ベンダ リンク
Phoenix Contact Security Advisory for Automation Worx Software Suite

参考情報

  1. ICS Advisory (ICSA-20-191-01)
    Phoenix Contact Automation Worx Software Suite

JPCERT/CCからの補足情報

JPCERT/CCによる脆弱性分析結果

謝辞

関連文書

JPCERT 緊急報告
JPCERT REPORT
CERT Advisory
CPNI Advisory
TRnotes
CVE CVE-2020-12497
CVE-2020-12498
JVN iPedia