公開日:2016/01/05 最終更新日:2016/01/05

JVNVU#98928449
古野電気製 Voyage Data Recorder (VDR) にユーザ入力値を適切に検証しない脆弱性

概要

古野電気株式会社が提供する Voyage Data Recorder (VDR) VR-3000/VR-3000S および VR-7000 のファームウェアアップデート機能 moduleserv には、ユーザの入力値を適切に検証しないため、root 権限で任意のコマンドを実行される脆弱性が存在します。

影響を受けるシステム

  • VR-3000/VR-3000S ファームウェアバージョン V1.50 から V1.54 まで
  • VR-3000/VR-3000S ファームウェアバージョン V1.61 およびそれ以前の V1.6 系
  • VR-3000/VR-3000S ファームウェアバージョン V2.06 から V2.54 まで
  • VR-3000/VR-3000S ファームウェアバージョン V2.60 から V2.61 まで
  • VR-7000 ファームウェアバージョン V1.02 およびそれ以前

詳細情報

古野電気株式会社の製品ページには、この VDR は "Records all crucial data to identify the cause of maritime casualty as well as contribute to the future prevention of the catastrophe of any kind. (海上災害の原因特定だけでなく、将来起こり得るあらゆる災害の防止に役立てるための重要なデータを全て記録しています。)" と記載されています。
Voyage Data Recorder (VDR) VR-3000/VR-3000S および VR-7000 のファームウェアアップデート機能 moduleserv は、10110/TCP で通信を待ち受けています。moduleserv はユーザの入力値を適切に検証しないため、攻撃者は root 権限で任意のコマンドを実行することが可能です。詳しい情報は IOActive のブログ、Maritime Security: Hacking into a Voyage Data Recorder (VDR) をご確認ください。

想定される影響

当該機器にネットワークアクセス可能な攻撃者によって、root 権限で任意のコマンドを実行される可能性があります。

対策方法

アップデートする
開発者が提供する情報をもとに、ファームウェアをアップデートしてください。
開発者は、本脆弱性の対策版として次のファームウェアをリリースしています。

VR-3000/VR-3000S:

  • ファームウェアバージョン V1.50 向け対策版 V1.56
  • ファームウェアバージョン V1.61 向け対策版 V1.62
  • ファームウェアバージョン V2.06 から V2.54 までのバージョン向け対策版 V2.56
  • ファームウェアバージョン V2.60 から V2.61 までのバージョン向け対策版 V2.62
VR-7000:
  • ファームウェアバージョン V1.02 向け対策版 V1.04

ベンダ情報

参考情報

  1. CERT/CC Vulnerability Note VU#820196
    Furuno Voyage Data Recorder (VDR) moduleserv firmware update utility fails to properly sanitize user-provided input

JPCERT/CCからの補足情報

JPCERT/CCによる脆弱性分析結果

CVSS v3 CVSS:3.0/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H
基本値: 9.8
攻撃元区分(AV) 物理 (P) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N)
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 低 (L)
必要な特権レベル(PR) 高 (H) 低 (L) 不要 (N)
ユーザ関与レベル(UI) 要 (R) 不要 (N)
スコープ(S) 変更なし (U) 変更あり (C)
機密性への影響(C) なし (N) 低 (L) 高 (H)
完全性への影響(I) なし (N) 低 (L) 高 (H)
可用性への影響(A) なし (N) 低 (L) 高 (H)
CVSS v2 AV:N/AC:L/Au:N/C:C/I:C/A:C
基本値: 10.0
攻撃元区分(AV) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N)
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 中 (M) 低 (L)
攻撃前の認証要否(Au) 複数 (M) 単一 (S) 不要 (N)
機密性への影響(C) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)
完全性への影響(I) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)
可用性への影響(A) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)

謝辞

関連文書

JPCERT 緊急報告
JPCERT REPORT
CERT Advisory
CPNI Advisory
TRnotes
CVE
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