公開日:2016/01/13 最終更新日:2016/01/13

JVNVU#99390211
ISC DHCP にサービス運用妨害 (DoS) の脆弱性

概要

ISC DHCP には、サービス運用妨害 (DoS) の脆弱性が存在します。

影響を受けるシステム

  • DHCP version 4.0.x
  • DHCP version 4.1.x
  • DHCP version 4.2.x
  • DHCP version 4.1-ESV から 4.1-ESV-R12 まで
  • DHCP version 4.3.0 から 4.3.3 まで
ほとんどの IPv4 クライアント、リレーおよびサーバが影響を受ける可能性があります。
また、DHCP 3.x も本脆弱性の影響を受ける可能性があります。

詳細情報

IPv4 UDP length フィールドに不正な値を持つパケットを処理することで、DHCP サーバ、クライアントおよびリレーが異常終了します。

なお、ユニキャストのパケットのみを処理する構成では本脆弱性の影響を受けません。
ただし、クライアントやリレーでは、通常このような構成では動作しません。
またこのような構成でサーバを使う場合には、クライアントからの DISCOVER などのブロードキャストリクエストを中継するためのリレーが必要となります。

構成によっては実際に本脆弱性の影響を受けない可能性がありますが、各構成においてアップデートの要否を特定することは困難であることから、開発者は、構成に依らずすべてを脆弱だとみなすべきだと述べています。

想定される影響

サービス運用妨害 (DoS) 攻撃を受ける可能性があります。

対策方法

アップデートする
開発者が提供する情報をもとに、最新版へアップデートしてください。
開発者は本脆弱性の対策版として、次のバージョンをリリースしています。

  • DHCP version 4.1-ESV-R12-P1
  • DHCP version 4.3.3-P1

ベンダ情報

ベンダ リンク
Internet Systems Consortium CVE-2015-8605: UDP payload length not properly checked

参考情報

JPCERT/CCからの補足情報

JPCERT/CCによる脆弱性分析結果

CVSS v3 CVSS:3.0/AV:A/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H
基本値: 5.3
攻撃元区分(AV) 物理 (P) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N)
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 低 (L)
必要な特権レベル(PR) 高 (H) 低 (L) 不要 (N)
ユーザ関与レベル(UI) 要 (R) 不要 (N)
スコープ(S) 変更なし (U) 変更あり (C)
機密性への影響(C) なし (N) 低 (L) 高 (H)
完全性への影響(I) なし (N) 低 (L) 高 (H)
可用性への影響(A) なし (N) 低 (L) 高 (H)
CVSS v2 AV:A/AC:M/Au:N/C:N/I:N/A:C
基本値: 5.7
攻撃元区分(AV) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N)
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 中 (M) 低 (L)
攻撃前の認証要否(Au) 複数 (M) 単一 (S) 不要 (N)
機密性への影響(C) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)
完全性への影響(I) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)
可用性への影響(A) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)

謝辞

関連文書

JPCERT 緊急報告
JPCERT REPORT
CERT Advisory
CPNI Advisory
TRnotes
CVE CVE-2015-8605
JVN iPedia