公開日:2020/02/13 最終更新日:2020/02/14

JVNVU#99571081
IBM ServeRAID Manager における任意のコード実行が可能な脆弱性

概要

IBM が提供する ServeRAID Manager には、Java RMI の制限不備に起因して、任意のコード実行が可能な脆弱性が存在します。

影響を受けるシステム

  • IBM ServeRAID Manager 9.30-17006 およびそれ以前

詳細情報

IBM ServeRAID Manager は Java 1.4.2 を内包していますが、ServeRAID Manager と Java 1.4.2 はともにサポートが終了しています。ServeRAID Manager では、デフォルトの設定において、全てのインターフェースで Java Remote Method Invocation(RMI)が待受ポート 34571/tcp で開放されるため、権限を持たない遠隔の第三者によってコードが実行される可能性があります。Microsoft Windows においては、ServeRAID Manager が SYSTEM 権限で動作しているため、攻撃により高い権限でコードが実行される可能性があります。

ServeRAID という名称は IBM や Lenovo をはじめ複数のベンダの製品に見られますが、本脆弱性は IBM ServeRAID Manager のみが影響を受け、Lenovo や他のベンダの製品やコンポーネントは影響を受けません。

想定される影響

遠隔の第三者によって任意のコードが実行される可能性があります。

対策方法

アクセス制限を実施する

  • ServeRAID Manager の待ち受けを制限し、localhost 等の特定のネットワークインターフェースでのみ有効にする
  • ホスト型ファイアウォールによりネットワークアクセスを制限する
※ ServeRAID Manager はサポートが終了しているため、修正版のリリースの予定はないものとみられます。 
 

参考情報

  1. CERT/CC Vulnerability Note VU#597809
    IBM ServeRAID Manager exposes unauthenticated Java Remote Method Invocation (RMI) service
  2. Oracle
    Java 2 Platform, Standard Edition (J2SE) 1.4.2

JPCERT/CCからの補足情報

JPCERT/CCによる脆弱性分析結果

CVSS v3 CVSS:3.0/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H
基本値: 9.8
攻撃元区分(AV) 物理 (P) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N)
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 低 (L)
必要な特権レベル(PR) 高 (H) 低 (L) 不要 (N)
ユーザ関与レベル(UI) 要 (R) 不要 (N)
スコープ(S) 変更なし (U) 変更あり (C)
機密性への影響(C) なし (N) 低 (L) 高 (H)
完全性への影響(I) なし (N) 低 (L) 高 (H)
可用性への影響(A) なし (N) 低 (L) 高 (H)
CVSS v2 AV:N/AC:L/Au:N/C:C/I:C/A:C
基本値: 10.0
攻撃元区分(AV) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N)
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 中 (M) 低 (L)
攻撃前の認証要否(Au) 複数 (M) 単一 (S) 不要 (N)
機密性への影響(C) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)
完全性への影響(I) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)
可用性への影響(A) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)

謝辞

関連文書

JPCERT 緊急報告
JPCERT REPORT
CERT Advisory
CPNI Advisory
TRnotes
CVE CVE-2011-3556
JVN iPedia

更新履歴

2020/02/14
[CVSS v2 Base Metrics] 評価値の変更。[参考情報] の追加。