公開日:2015/08/12 最終更新日:2015/08/12

JVN#20459920
Microsoft Office における情報漏えいの問題

概要

Microsoft Office には、情報漏えいの問題が存在します。

影響を受けるシステム

  • Microsoft Office 2007
  • Microsoft Office 2010
  • Microsoft Office for Mac 2011

詳細情報

Microsoft Office では、Office ドキュメントにクリップアートなどのファイルを挿入した際、「代替テキスト」にローカルファイルの絶対パスが保存されます。

想定される影響

当該製品で作成されたファイルを取得した第三者によって、ファイルシステムやユーザ名に関する情報を取得される可能性があります。

対策方法

アップグレードする
開発者が提供する情報をもとに、Windows 版 Office については Microsoft Office 2013 (最新のバージョン) へ、Mac 版 Office については Microsoft Office 2016 for Mac へアップグレードしてください。

ワークアラウンドを実施する
以下の回避策を適用することで、本問題の影響を回避することが可能です。

  • 「代替テキスト」を手動で削除または編集する

ベンダ情報

ベンダ ステータス ステータス
最終更新日
ベンダの告知ページ
マイクロソフト株式会社 該当製品あり 2015/08/12

参考情報

JPCERT/CCからの補足情報

本脆弱性対策情報の JVN 公表は、製品開発者が対応した時点から遅れ 2015/08/12 となりました。迅速な JVN 公表を目指した 2010年度「情報システム等の脆弱性情報の取扱いに関する研究会」の提言を受け、2011年度より JPCERT/CC は新たな手順に従って製品開発者との調整を進めています。

JPCERT/CCによる脆弱性分析結果

2015.08.12における脆弱性分析結果(CVSS Base Metrics)

CVSSとは

評価尺度 評価値 説明
攻撃元区分(AV) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N) ネットワーク経由でリモートから攻撃可能
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 中 (M) 低 (L) 攻撃成立に何らかの条件が必要
攻撃前の認証要否(Au) 複数 (M) 単一 (S) 不要 (N) 認証は不要
機密性への影響(C) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C) 一部の情報が漏えいする
完全性への影響(I) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C) 情報の正確さや完全さは損なわれない
可用性への影響(A) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C) システムの使用は阻害されない

Base Score:4.3

分析結果のコメント

ユーザが作成した Office ドキュメントを取得して、「代替テキスト」の情報を入手するケースを想定しています。

謝辞

この脆弱性情報は、情報セキュリティ早期警戒パートナーシップに基づき下記の方が IPA に報告し、JPCERT/CC が開発者との調整を行いました。
報告者: ネットエージェント株式会社 長谷川陽介 氏、株式会社マルスジャパン 力美有樹 氏

関連文書

JPCERT 緊急報告
JPCERT REPORT
CERT Advisory
CPNI Advisory
TRnotes
CVE
JVN iPedia JVNDB-2015-000112