JVNVU#90289707
プロキシ自動設定ファイル (proxy.pac) から HTTPS URL に含まれる情報を取得できる問題
プロキシ自動設定ファイル (proxy.pac) に渡される URL がプロキシ選択に必要とされるプロトコルスキームやホスト部分など以外の情報も含んでいる場合、URL に含まれるセンシティブな情報が漏えいする可能性があります。
- プロキシ自動設定ファイル (proxy.pac) によるプロキシ選択機能を実装しているウェブブラウザ
- WPAD (Web Proxy Auto-Discovery) に対応しているウェブブラウザ
プロキシ自動設定 (Proxy Auto-Config, PAC) ファイル (proxy.pac) は JavaScript で書かれた関数 FindProxyForURL() を提供します。
ウェブブラウザ等のクライアントは、リクエストとして受け取った URL をこの関数に渡し、その処理結果をもとに使用するプロキシサーバを決定します。
WPAD (Web Proxy Auto-Discovery) に対応しているウェブブラウザの場合、WPAD プロトコルを使って自動的に proxy.pac を取得することが可能です。
信頼境界を越える際に、センシティブなデータを適切に削除しない問題 (CWE-212) - CVE-2016-5134, CVE-2016-1801
ウェブブラウザ等のクライアントが、受け取ったリクエストの URL を、プロキシ選択で必要とされるホスト部分など以外も含む形のまま FindProxyForURL() に渡している場合、FindProxyForURL() の処理で、URL に含まれるパス部分やパラメータ部分などの情報にアクセス可能です。
中間者攻撃が可能な環境において、細工された proxy.pac ファイルを使用している場合、細工された FindProxyForURL() によって、引数として渡された HTTPS URL に含まれる情報が漏えいする可能性があります。
細工された proxy.pac ファイルを使用することで、センシティブな情報が漏えいする可能性があります。
アップデートする
開発者が提供する情報をもとに、最新版へアップデートしてください。
ワークアラウンドを実施する
本脆弱性の影響を軽減するため、次の回避策を適用してください。
- WPAD を使用しない
-
CERT/CC Vulnerability Note VU#877625
Proxy auto-config (PAC) files have access to full HTTPS URLs -
Context Information Security
Sniffing HTTPS URLS with malicious PAC files
攻撃元区分(AV) | 物理 (P) | ローカル (L) | 隣接 (A) | ネットワーク (N) |
---|---|---|---|---|
攻撃条件の複雑さ(AC) | 高 (H) | 低 (L) | ||
必要な特権レベル(PR) | 高 (H) | 低 (L) | 不要 (N) | |
ユーザ関与レベル(UI) | 要 (R) | 不要 (N) | ||
スコープ(S) | 変更なし (U) | 変更あり (C) | ||
機密性への影響(C) | なし (N) | 低 (L) | 高 (H) | |
完全性への影響(I) | なし (N) | 低 (L) | 高 (H) | |
可用性への影響(A) | なし (N) | 低 (L) | 高 (H) |
攻撃元区分(AV) | ローカル (L) | 隣接 (A) | ネットワーク (N) |
---|---|---|---|
攻撃条件の複雑さ(AC) | 高 (H) | 中 (M) | 低 (L) |
攻撃前の認証要否(Au) | 複数 (M) | 単一 (S) | 不要 (N) |
機密性への影響(C) | なし (N) | 部分的 (P) | 全面的 (C) |
完全性への影響(I) | なし (N) | 部分的 (P) | 全面的 (C) |
可用性への影響(A) | なし (N) | 部分的 (P) | 全面的 (C) |
JPCERT 緊急報告 |
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JPCERT REPORT |
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CERT Advisory |
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CPNI Advisory |
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TRnotes |
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CVE |
CVE-2016-5134 |
CVE-2016-1801 |
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JVN iPedia |
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- 2016/09/02
- タイトルを含め文面を改訂し、参考情報を追加しました。