公開日:2015/12/01 最終更新日:2015/12/01

JVNVU#97647301
RSI Video Technologies の Videofied Frontel がセキュアでない独自プロトコルを使用する問題

概要

RSI Video Technologies が提供するセキュリティシステム Videofied では、Frontel と呼ばれるソフトウエアを使い、警報発生時の状態を監視します。Frontel は、サーバとの通信にセキュアでない独自プロトコルを使用しています。

影響を受けるシステム

  • Frontel protocol version 3 より前のバージョンを使用するシステム

詳細情報

Frontel は、888/tcp で動作する独自プロトコルを使用しています。このプロトコルでは、AES-128 と共通鍵によるハンドシェイクをおこなった後、メッセージを送信します。

暗号鍵がハードコードされている問題 (CWE-321) - CVE-2015-8252
Frontel の独自プロトコルは、機器のシリアル番号のみに基づく共有鍵を使用しています。シリアル番号はメッセージ中に平文で送信されるため、攻撃者は鍵を特定することが可能です。

センシティブなデータを暗号化しない問題 (CWE-311) - CVE-2015-8253
AES によるハンドシェイク後、メッセージおよびビデオは暗号化されずに送信されます。メッセージは平文、ビデオは Motion JPEG 形式で送信されます。

データの信頼性の不十分な検証 (CWE-345) - CVE-2015-8254
メッセージは、完全性が保護されることなく送信されます。そのため、たとえばメッセージが改ざんされることで、偽の警報が発せられる、あるいは警報を解除される可能性があります。

さらに詳しい情報は、研究者のブログ投稿をご確認ください。

想定される影響

遠隔の攻撃者によって偽のメッセージを送られたり、ビデオを含むデータを傍受されたりする可能性があります。

対策方法

アップデートする
RSI Video Technologies は Frontel protocol version 3 で問題を修正し、これを取りこんだアップデートをリリースしています。アップデートは 2015年12月末にかけてユーザに配信されます。ユーザは可能な限り速やかにアップデートを適用することが推奨されます。質問や懸念は、RSI Video Technologies へお問い合わせください。

ベンダ情報

ベンダ リンク
RSI Video Technologies Frontel - Videofied

参考情報

  1. CERT/CC Vulnerability Note VU#792004
    RSI Video Technologies Videofied security system Frontel software uses an insecure custom protocol
  2. Cybergibbons Limited
    Multiple serious vulnerabilities in RSI Videofied’s alarm protocol

JPCERT/CCからの補足情報

JPCERT/CCによる脆弱性分析結果

CVSS v3 CVSS:3.0/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:N/A:N
基本値: 7.5
攻撃元区分(AV) 物理 (P) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N)
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 低 (L)
必要な特権レベル(PR) 高 (H) 低 (L) 不要 (N)
ユーザ関与レベル(UI) 要 (R) 不要 (N)
スコープ(S) 変更なし (U) 変更あり (C)
機密性への影響(C) なし (N) 低 (L) 高 (H)
完全性への影響(I) なし (N) 低 (L) 高 (H)
可用性への影響(A) なし (N) 低 (L) 高 (H)
CVSS v2 AV:N/AC:L/Au:N/C:P/I:N/A:N
基本値: 5.0
攻撃元区分(AV) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N)
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 中 (M) 低 (L)
攻撃前の認証要否(Au) 複数 (M) 単一 (S) 不要 (N)
機密性への影響(C) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)
完全性への影響(I) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)
可用性への影響(A) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)

分析結果のコメント

この分析結果は、CVE-2015-8252 について評価したものです。

謝辞

関連文書

JPCERT 緊急報告
JPCERT REPORT
CERT Advisory
CPNI Advisory
TRnotes
CVE CVE-2015-8252
CVE-2015-8253
CVE-2015-8254
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